英国にある大学の研究グループでは、全犬種のなかで「最も知能が高い」と言われるボーダーコリー。一頭のボーダーコリーで400頭以上もの羊を誘導できるという、牧羊犬として優れた能力を持っています。

ボーダーコリーの優れたものは知能だけでなく、運動能力も非常に高いです。牧羊犬としての有能さはもちろん、オビディエンス（服従訓練）やアジリティ・フライングディスクなどのドッグスポーツも難なくこなします。

毛色はブラック＆ホワイト、ホワイト＆タン、セーブル＆ホワイトなど、さまざまなバリエーションがあります。ただし、白の範囲が多いものはあまり好ましくないとされています。被毛は長さが7.5cmほどの固い長毛と、2.5cmほどの滑らかな短毛の2種です。

ボーダーコリー体重推移ボーダーコリーの平均体重は14～20kgとされ、個体や性別により差があります。メスはオスに比べ若干小さめの体つきをしていることが多いです。

【体重推移の目安例】
・生後1～2カ月時点：4～5kgほど
・生後3カ月：6～8kgほど
・生後6カ月：10～15kgほど
・生後1年：16～18kgほど

上記の体重推移は、オス・メスを合わせた平均値です。成犬と呼ばれる生後1年くらいまでの時期にボーダーコリーは成長し、体重は安定した数値となります。
※上記数値は一例です。成長のスピードには、個体差があります。

賢さに加え、好奇心旺盛で活発な性格のボーダーコリー。
持ち前の洞察力で自ら状況を判断し、仕事を進めていく作業意欲の高さが特徴的です。

また、神経質な性格でも攻撃的な性格でもなく、羊飼いの指示をしっかりと聞き入れる素直で従順な性格も持ちあわせており、高い能力とその性格を生かした仕事ぶりで、長年の間、羊飼いに愛されています。

粘り強さと責任感がある犬種なので、番犬にも向いています。やや神経質な面もありますが、攻撃性はありません。
飼い主や家族に対しては愛情深く接してくれるので、家庭犬としても非常に人気の高い犬種です。

牧羊犬としての作業能力を代々受け継がせるべく、交配を重ねてきたボーダーコリー。ボーダーコリーが持つ行動意欲は高く、飼い主さんからの指示に従い仕事や運動へと取り組むことで達成感を得ます。

高い運動能力に合わせた運動、高い知性レベルに見合った頭脳的なトレーニングを日々おこないましょう。能力を存分に発揮するとともに、ボーダーコリー自身の行動意欲も満たされるので、精神的に安定しやすくなります。

放任で自由気ままにさせてしまうと、行動意欲を満たすため勝手に行動しはじめてしまうこともあります。日ごろから、しっかりとコミュニケーションを取りボーダーコリーに指示を出しましょう。

主人に従順で忠実な性格を持つボーダーコリーですので、家族で決めたルールをもとに一貫性を持ってしつけをおこなえば、自ずと学習していきます。

コマンドでトレーニングをしようボーダーコリーのリクエストに毎回応えるのではなく、飼い主さんのリクエストに応えてもらうようにしつけをおこないましょう。
「コイ」「マテ」「オスワリ」など、コマンドを用いたトレーニングがボーダーコリーには効果的です。トレーニングが成功したらしっかりと褒めましょう。もし、うまく出来なかった場合には、低い声で厳しく伝えることがポイントです。

ボーダーコリーの飼い方－散歩時間の目安持久力に優れたボーダーコリーは、毎日の運動が欠かせません。散歩時間の目安としては、毎日2回・各回30～60分ほど。時間を見つけドッグランなどで思い切り走らせてあげましょう。特に年齢の若いうちは、体力・気力ともに充実しているので、たくさん運動させる機会が必要です。

★知的好奇心を満たす運動やトレーニングを★
ボーダーコリーが持つ知的好奇心を満たすためには、毎日の散歩のほかに、ボールやフライングディスクを使用した遊びや、オビディエンスやアジリティ競技のトレーニングをおこなうなど、ボーダーコリーが頭・体の両方を使う機会を与えましょう。

実際に、ボーダーコリーはさまざまな種目の競技大会において優秀犬種に輝く活躍をみせています。こうした競技大会の出場を目標としてみるのもよいかもしれませんね。

平均寿命は、12.9歳※1といわれています。個体差がありますが、なかには17年以上長生きするボーダーコリーもいるようです。

愛犬を長生きさせるためには、日頃の健康管理が必要不可欠です。
例えばバランスのよい食事や適度な運動、そしてこまめな定期健診などが健康な体づくりに大きく影響するといわれています。

肥満は病気を引き起こすきっかけとなるので、おやつの与えすぎやカロリーオーバーには十分注意しましょう。
また、ストレス発散のためにも、毎日の散歩はもとより、ときどきドッグランなどで自由に走り回れる時間をつくってあげてもいいですね。

※1　アニコム家庭どうぶつ白書2022年

ボーダーコリーは「股関節形成不全」や「コリーアイ」に注意が必要です。

股関節形成不全は、股関節がうまく発達せず、骨がかみ合わないため起こる病気で、大型犬によくみられます。
この病気になると、歩行がぎこちなくなったり、歩きたがらなくなったり、横座りをするようになったりといった症状が表れます。

遺伝的要因がほとんどと言われていますが、子犬の時期に栄養を与えすぎても発症することがあるようです。
滑りやすい床などでも足腰に負担をかけてしまうので、日頃からの食事や環境整備には十分気を配ってください。

また、「コリーアイ」は、コリー種に多くみられる眼病です。
軽度であればほとんど異常が見られませんが、重篤化すると日常生活に支障が出たり、場合によっては失明したりしてしまいます。
遺伝疾患なので予防は難しいですが、病気の進行を防ぐためにも、異変を感じたらすぐに動物病院を受診しましょう。

もっと知りたい・備えたい

ボーダーコリーの病気について、もっと知りたくなったら。
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気を付けたい病気・ケガ ① 股関節脱臼

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