甲斐犬の特徴

桜の木の下にいる甲斐犬

大きさ・サイズ

甲斐犬の体高はオスが47~55cm、メスが44~52cmほど。体重はオスが13.6~18.1kg、メスが11.3~15.9kgほどです。
がっしりとした筋肉質の体格で、引き締まった体つきをしています。
子犬お迎えサイト『みんなのブリーダー』では中型犬に分類されており、柴犬よりもやや大きめのサイズです。

性格

甲斐犬は、勇敢で忠実な性格飼い主に対しては深い愛情を示します。一方で、警戒心が強く、見知らぬ人や犬に対しては慎重な態度をとることがあります。

しかし、適切な社会化と根気強いトレーニングによって、友好的な性格を引き出すことができます。

毛色・被毛

甲斐犬の毛色は、虎毛と呼ばれる独特の模様が特徴です。山岳地帯の狩猟で活躍していたため、この特有の虎毛が保護色となっていました。
色合いは個体によってさまざまで、黒虎と赤虎と中虎が存在します。また、胸や足先などに白い毛が生えている場合もあります。被毛は、硬い上毛と柔らかい下毛の二重構造(ダブルコート)です。

甲斐犬の飼い方

振り返る甲斐犬

しつけ

甲斐犬は独立心が強く頑固な一面もあるため、子犬のころから根気強く、一貫性のあるしつけが必要です。
褒めて伸ばすことを基本とし、飼い主との信頼関係を築くことが大切です。
また、社会化トレーニングも重要で、ほかの犬や人との交流、さまざまな環境に慣れさせることを通じて、適切な行動を学ぶ機会を設けましょう。

散歩

1日2回、各1時間程度の散歩が目安です。体力があるので、時にはドッグランなどで自由に走り回れる機会も与えましょう。

お手入れ

ブラッシング

できるだけ毎日、少なくとも週に1~2回のブラッシングが必要です。とくに換毛期には抜け毛が多くなるため、毎日ブラッシングをおこないましょう。
スリッカーブラシで毛の根元から毛先に向かって優しくブラッシングし、毛玉ができやすい耳の後ろや脇の下は丁寧にケアします。
抜け毛を放置していると皮膚トラブルにもつながるため、要注意です。

シャンプー

甲斐犬は月に1~2回程度のシャンプーが適切ですが、汚れが目立つ場合は回数を増やしても構いません。ただし、シャンプーの頻度が高すぎると皮膚を傷める原因になるので注意しましょう。
シャンプー前にブラッシングをおこない、毛のもつれを解いておきます。ぬるま湯で全身を濡らし、シャンプーを泡立てて優しく洗います。
すすぎ残しがないようしっかりと洗い流し、シャンプー後によく乾かすことが重要です。

歯磨き

甲斐犬の歯磨きは、毎日おこなうのが理想です。子犬のころから歯磨きに慣れさせ、嫌がらないようにしましょう。
歯石が残ると歯周病を引き起こすことがあるため、定期的な歯磨きが重要です。
犬用歯ブラシと歯磨きジェルを使用し、歯と歯茎を優しく磨きます。デンタルガムや歯磨きおもちゃの活用もおすすめです。

爪切り

爪は、月に1~2回程度切る必要があります。伸びすぎた爪は歩きにくさやケガの原因になるため、要注意です。
甲斐犬は黒い爪をしている場合が多く、血管が見えにくいため、少しずつ慎重に切るようにしましょう。自信がない場合は、獣医師やトリマーに相談するのも一つの手です。

甲斐犬がかかりやすい病気、寿命

見上げる甲斐犬

注意したい病気

アレルギー性皮膚炎

食物アレルギーや環境アレルギーなどが原因で、皮膚のかゆみ、赤み、湿疹、脱毛などの症状が表れることがあります。

治療の流れはとしては、まずは原因アレルゲンの特定・除去をします。それから抗ヒスタミン薬やステロイド薬の投与、薬用シャンプーの使用など、症状に応じた治療がおこなわれます。
アレルギー性皮膚炎を防ぐためには、原因となるアレルギー物質を特定し、接触を避けることが大切です。
バランスの取れた食事を与え、皮膚のバリア機能を維持することも重要です。

白内障

白内障は、水晶体が白く濁ることで視力低下を引き起こす病気です。加齢や遺伝、糖尿病などが原因で発症します
症状は、視力低下、目の濁り、行動の変化など。
若齢で白内障を発症するケースもあるため、症状に気付いたら放置せず、動物病院に行きましょう。

点眼薬で進行を遅らせることはできますが、根本的な治療は外科手術となります。濁った水晶体を取り除き、人工レンズを挿入する手術がおこなわれます。
遺伝性白内障の場合は予防が難しいですが、目に傷がつかないように気を付けることが予防につながるともいわれています。

健康寿命を延ばすために

甲斐犬の平均寿命は15.0歳です。
甲斐犬は、厳しい環境にも耐えうる丈夫な体質を持っています。遺伝的な疾患も比較的少なく、丈夫な犬種といえます。
さらに健康で長生きさせるためには、以下のことに注意しましょう。
参考文献
アニコム 家庭どうぶつ白書(https://www.anicom-page.com/hakusho/

適切な運動

甲斐犬は活発な犬種なので、毎日の散歩や遊びは欠かせません。適度な運動は、筋肉や骨を強くし、肥満防止にもつながります。
ただし、激しい運動は関節に負担をかけるため、危険です。愛犬の年齢や体力に合わせて調整しましょう。

バランスの取れた食事

甲斐犬の年齢や活動量に合わせたフードを選び、適切な量を与えることが重要です。肥満はさまざまな病気のリスクを高めるため、体重管理には十分注意しましょう。

ストレスケア

甲斐犬は繊細な一面も持ち合わせています。過度なストレスは、心身の健康に悪影響を及ぼす可能性がも。
愛犬がリラックスできる環境を整え、コミュニケーションを大切にすることで、ストレスを軽減しましょう。

甲斐犬のルーツ

誕生の経緯

甲斐犬の子犬
甲斐犬は、日本の山梨県原産の日本犬で、そのルーツは古く、縄文時代の遺跡から甲斐犬と似た犬の骨が発見されています。
山岳地帯で狩猟犬として活躍し、険しい地形での狩猟に適した身体能力と、飼い主への忠誠心を持ち合わせていました。

しかし、明治時代以降、西洋犬の導入や狩猟の変化により、甲斐犬の数は減少。絶滅の危機に瀕しましたが、愛犬家たちの尽力により保護・繁殖が進められました。
1934年1月には天然記念物に指定され、秋田犬、柴犬、紀州犬などの日本犬と並び、多くの人に愛され続けています。

まとめ

リラックスした表情の甲斐犬
この記事では、日本の天然記念物である甲斐犬の特徴や飼育方法について詳しく解説しました。
勇敢で忠実な性格、美しい虎毛の毛並み、山岳地帯で培われた丈夫な体質など、甲斐犬の魅力は多くの人をひきつけています。
独立心が強く、しつけには根気が必要ですが、適切なケアと愛情を注ぐことで、飼い主にとってかけがえのないパートナーとなるでしょう。
この記事が、甲斐犬との生活をはじめる方、または甲斐犬に興味のある方の参考になれば幸いです。