犬の誕生日

今現在当犬舎の飼育頭数は25頭。引退犬もいるので、実質の繁殖犬は10頭。よって年間で販売する子は20頭ぐらいである。
それこそ吹けば飛ぶような零細企業。ただ厚生年金などの老後保障をかけたいので合同会社組織にしているだけで

しかしこの20頭を販売するのもタイミングが合わないと、なかなか行き先が決まらない子もいる。狭い家だけに飼育頭数は限られてくるし、ごはん代だけで結構かかる。
ブリーダーはいかに健康な犬を育てるのかが勝負である。見た目は多少肥満でも、良質たんぱく質とカルシウムを摂取するために鶏むね肉とミルクは欠かさずにたっぷり与える。これで強い足腰を作っている。小型犬の足骨折は予後がよろしくない。だからこそ子犬のうちほど食事は大切であり、母乳も40日といわずに母犬が嫌がらなければそのまま続ける。もちろん離乳食から食べる訓練は必要であるが

そのおかげでお客様に喜んでいただいており、毎年誕生日にパーティーの写真を撮って送ってくださる方も多い。ありがたいことである

しかしその誕生日、本当に合ってますか？　そう言うと「えっ？」と思われる方がおりますが、昔から犬の誕生日ごまかしというのは悪しき伝統なのです

なぜ誕生日をごまかすのか？答えは簡単、子犬は若ければ若いほど、小型犬なら小さければ小さいほど売りやすいのです。
ようするにペットオークション対策です。うちはオークションで売らずに全員直売なのでごまかす必要がないのでやりませんが

現在犬は日本犬を除けば56日齢。生まれた日は0日ですから1月1日に生まれた子なら2月27日から販売できます
わかりやすくいえば、日曜日に生まれた子なら８週間先の月曜日から、月曜日に生まれた子なら8週間先の火曜日から販売できます
ようするに毎週月曜日に開催されるオークションのメンバーなら日曜日生まれが一番有利になり、逆に月曜日生まれだと一番不利になるのです

このことは公然の秘密であったのですが、去年の秋に全国一斉に全犬舎への抜き打ち立ち入り検査があり「なんでおたくのところは全部の犬が同じ曜日に生まれているのですか？」と動物愛護センターから突っ込まれて指導を受けたブリーダーはたくさんおりました

それで今はほぼいなくなったようですね。喜ばしいことです。
ワンちゃんも大切な家族。みんなで誕生日を祝う方は多いです。その誕生日が実は違うとなれば悲しいですよね
だからこそ最近はペットショップよりもブリーダー直販を選ぶ方が増えているのかな？

だいたい何曜日でもいいのですが2回続けて同じ曜日に出産する確率は7分の1。3回続く確率は49分の1。６回続けば16807分の1。ナンバーズ4のストレートだって的中率は10000分の1なのにねぇ
8回続けば年末ジャンボ宝くじの1等当選より難しいのですが、よほど強運のブリーダーさんが世の中にはいるのですかね…